窓の男に言う

窓の男に言う 今日は冷たい風が吹いているから
ドアの男に言う いつでも出られるようになんかしないで
ゆったりと過ぎる時間だけが欲しい


雨の女に言う きみはきっと泣きたいんじゃない
ただ死ぬ間際まで眠りたいだけなんだ 
安らかな 動かない日常を夢みて


時に 窓になり 影になり 雨になり
ぼくはなんとか時を止めようとしている


窓の男