靄の町

八月なのに 暑くない
八月なのに 忙しい
八月なのに だるくない
八月なのに 近所の子供がうるさくない

車でまた築地へ行ったら
親父は元気に くちゃくちゃ 夕飯を食っていた
洗濯物もあまりない
じっと 立って腕を組む と
14階の窓の景色に 吸い込まれそうになる
靄の中を飛ぶのも 気持ちいいかもしれない
乱視眼で 自分の体が 二重に見えた 八月の日
少し疲れた かな



靄の町