2007-01-20 遡行 もう このどぶ川を遡るなんて 出来ないだろう 腐臭を放ちながら 細くなり 底にはイトミミズがへばりついていた 酔っぱらいや無頼者 子供までが怖がった 川はもうない この橋から数十メートルで 水は土になり 土はアスファルトになる 波もたたず メタンの泡も吐き出さない 静かなどぶ川 昨日 小さなサメの屍体が打ち上げられていたが 今はもうない 川を潰した緑道のベンチに座り 暖かい陽に当たりながら この川の記憶を遡って 死んでいくのもいい と思った 曲がる首都高 水辺