遡行

遊具

もう このどぶ川を遡るなんて 出来ないだろう
腐臭を放ちながら 細くなり 底にはイトミミズがへばりついていた
酔っぱらいや無頼者 子供までが怖がった 川はもうない
この橋から数十メートルで 水は土になり 土はアスファルトになる
波もたたず メタンの泡も吐き出さない 静かなどぶ川
昨日 小さなサメの屍体が打ち上げられていたが 今はもうない
川を潰した緑道のベンチに座り 暖かい陽に当たりながら
この川の記憶を遡って 死んでいくのもいい と思った



曲がる首都高



水辺