切羽詰まる快感

あるビル

昔から 切羽詰まるとバカなことをする
脳が熱く沸騰して 冷水を浴びにゆくようなことか
今がまさにそれ
やってもやっても 出さなくちゃいけない
何もないのに


ひとりになれば 指から流れる
夜の時間に いつも怯えている
背中に張り付く 壁の冷たさが
皮膚にしみ込んで 言葉を凍らす
誰かが気付いてあげないと 男は
そのまま ベランダ 鳥になり
この部屋は空っぽ



米粒ジェット