イヴの夜は

口をきかない父もいない
夕方になると声が大きくなる母もいない
ほとんど寝ているが時折 バクとパンを食う同居人の
大工さんもいない ふたりだけの夜だった
喧噪の街なのに ここは静か
バクがいないのが少し淋しいが そうもいかない
やさしい 固いケーキを食った



小さなクリスマス・イヴ