一昨日の立て看板が忘れられない

日原立て看板

一昨日の立て看板が忘れられない
奥多摩から日原鍾乳洞への山道入り口に 立っていた看板
「平成十五年三月十一日、奥多摩町の道路(日原しょう乳洞方面)の
ガケ下で二〇歳代から四〇歳代までの女性の手足首や太いバリバリの
黒髪が発見されました、                              
             を見かけた方はお知らせ下さい。   」

空白も気になるところだが やはり「太いバリバリの黒髪」というのが
一番つっかかる
もとからその女性は太いバリバリの黒髪なのか
それともそうなってしまって発見されたのか 全く定かでない
よほど急いで書いたのだろうか それにしては文字は太く 落ち着いている
ただ 情報を求めるにしてはやけにそのままなのだ
そこが また生々しいわけだが
山間ののどかな景色に 突如立つ看板は
もう 風雨にさらされて 役に立たない案山子のようだ
その案山子を 釣り兄弟はわざわざ車を止めてもらって ケータイのシャッターを押した
それもまた かなりの姿だったろう