釣りへゆく

うらたんざわ

久々に 釣りへゆく
いつものように ちっこいのを三匹
午前中の紫外線が嘘みたいに弱まって 午後は雷に大雨
早々と帰ってきてしまった
ロッドは避雷針のようなもの 足の裏に穴が開くところだった
でも そうなっても怪人のように突っ立って 死んでゆくんだろうな
いや 死んでゆくのもいいかな なんて 一瞬思った
ひとり東屋で雨を見ていたら 眠ってしまった
夢をみたような気がする
覚えられない夢は またいつかみる
新緑の匂いが雨に濡れて 胸の隙間にしみ込んでくる

「29年生まれのしょうもない二人」