夜は誰のために

夜の病院

夜 7時頃 親父の所へ 新聞配達
したら むこうを向いたっきり
遅すぎたのか いや そんなこともないだろう
心が読めない 何しろ書いてくれないし‥‥‥
腕を組んで考えたが わからない
と ベッドの足元を見たら 昨日持って帰るはずの洗濯物が転がっていた
ビニール袋に包まれて パンパンになって
これか ごめん 忘れたね 持って帰るから テレビカードも買ってこようね
明日から日本シリーズだよ
結局 こちらを見ることなく 面会時間が終わる
これから 長い夜がやってくる
夜は誰のためにあるのか 
親父の方が今は 深く知っているに違いない




真夜中の花