天ぷらを兄弟で食う

築地へ行ったから 帰り天ぷらを食った
ギリでランチタイムに間に合う
海老という奴が苦手なので 野菜天丼にした
カラッカラの衣を着た野菜が 飯の温もりで少し湿ると
何とも言えない歯触りだ が
服を着てるんで 何という野菜かわからない
わからないまま食っちまった
まったく 幸薄い胃だ
通りへ出て 兄が卵焼きを買ったから 追随して買う
これなら母も大工さんも食えるだろう
じゃあ 明日 また 病院で
兄は地下鉄に乗って消えていった
海岸通り芝浦を過ぎた辺りで 胸焼けがしてきた
運河が光り輝いている日だというのに



平面の町