フロントグラスに

午前の桜

フロントグラスに 花びらが一枚 舞い降りた
公園脇の自販機で煙草を四つ ポケットにしまい込んで
アクセルを踏み込もうとしたら 風で
雪のように散ってきた花びらが 一枚
走れば さよなら の一枚
仕方ない 一服するか と火をつけて 窓を開けたら
もう 花びらはいなかった
無駄な煙を吸い込んだ肺が きゅうきゅう言う



花びらがつく