2007-08-23 断片 棒になった自分が 水に浮くことは出来るが 火を消すことは出来ない いつまでも輝く太陽は 月の光を邪魔して 深く 悲しい陰をつくる 乾いた道に沿って 墓石のように老婆が立つ そろそろ夢になってくるころだろう 焦げた靴底から 海は見えない 焼けただれたコインを耳に挟むと 貝が聞く海の音がするはずだ 唇についた土が塩辛い 果てしない思索のベクトル上に 同じように果てしない老いへの不安があり それらは共振する音叉となって いつもあらゆるところで鳴りだすのだ 照射