廃棄場の夜明け

運河

川辺の廃棄場にも 夜明けが来る
随分と遅くはなったけれど 東の空は赤くなる
ここでよく鳴いていた白い鶏は 確実にいなくなった
歌で天国に送ってしまったからか
気になって最近はここを散歩道にしている が
歌を作ってからというもの 姿を見ない
あのジワジワと燃えてゆく空を いつも引き裂くように鳴いて
辺りが均一な朝の景色になるころには もういない
そいつはどこいったんだろう なんて考えはしないけれど
橋を渡るとき聞こえる 引き裂くような声までも
天国にやった覚えはない




夜明けの廃棄場