朝帰りの男達

朝の町

この町の朝帰りの男達はみんな ぶつぶつ独り言を言っている
始発のバスを待ちながら ベンチがあるのに座りもせず
携帯電話を持っている風でもなく よれよれの上着のポケットに手を突っ込んで
冷たくなった空気に何か言うように ぶつぶつ ぶつぶつ
まだ 吐く息は白くないから ぶつぶつはすぐに消える
もっと寒くなったら この町中 朝帰りの男達のぶつぶつでいっぱいになるのか
負けてはいられないと ぶつぶつ言おうとしたが
歌になってしまった 素っ頓狂な歌に
今度録音しよう




11月の水溜まり