高架下の鳩に吠える

高架下の鳩

朝が随分はやくなった
おかげで愛犬バクは陽射しに目を細めている
眠る時間帯が一周してしまったのか 
夜11時に就寝、朝6時に起床という生活
なんだか恥ずかしい気がするのはなぜか
6時過ぎの散歩はまだ息が白いが 陽射しがすぐ白さを消してくれる
高架下の街灯の上で和む鳩に吠える
あんなところまで 飛び上がれないことは承知だろうに
鎖で首がしまって自分が苦しいだけだ
鳩は眼下のことなど知らぬ存ぜぬで 小さく和んでいる
吠えたら負けだぞ なんて言わない
どんどん吠えろ とも言わない
なにも言わず さ 行くか とも言わず
煙草を吸った
自分の中の空洞に紫煙が充満していくのがわかった
朝の眩しさで下瞼がピクついた
バクはどうももう一回うんこしそうだ