イチゴは牛乳と砂糖を入れて

イチゴ

イチゴをまるごと食う習慣がない
イチゴは牛乳と砂糖を入れて 平たいスプーンでつぶして食う
ひとつひとつ それは丁寧に むぎゅ〜 と時間をかけてつぶすのだ
よそ見などしようものなら イチゴは床に飛んでゆく
バクの御馳走になるしかなくなる
子供の時からそうだった 一番最後までつぶしている
家族全員が食べ終わろうとしていても つぶしている
地震があっても 火事があっても つぶしているだろうほどに つぶしている
ひとり トロトロになった牛乳イチゴをすするのが 気分がいいのだ
だから まるごと あっという間に食ってしまう人間の気持ちがわからない
イチゴの食べ方だけは 文句を言われたくないのだ
他は どんどん言ってくれ