寒空をねじる

線路

あまりに寒いから 西口まで歩いた
途中の陸橋を上る坂に 葉のない木が
寒空をねじるように立っていた 黒々と 堂々と
西口の定食屋に行こうというから 陸橋を渡っていた
一番高い所から 駅近くのデパートの屋上に回る観覧車が見えた
もう回らなくなりそうな色褪せたゴンドラだ
定食屋は見事に休みだったから 鰻にした
こんな夕方から 鰻を肴に酒を呑んでいる年配の客ばかりの店
しかし彼女も知らないうちにビールを注文していた
立派に年配の仲間入りという訳だ
神棚のように置かれたテレビは大相撲中継
冬の寒い平和な日曜日だ


すずかけのき