夜中、風呂を洗う

風呂を洗う

夜中、風呂を洗う
なんて燃費の悪い日常だろう と考えながら
裸足になってジャージを膝までまくり 泡を飛ばした
大体この風呂桶は大きくて深い
死体なら三体は納まるだろう なんて馬鹿なこと思いながら
泡を流した
朝方の散歩を終えて 六時半頃 今はもう明るい
陽射しは射さないが 白い光りが まっさらな湯に溶け込む
自分のなまっちろい肢体が死んでいるようで 気分がいい
首までつかって じっとしていると
いろんなことを思う
緩みきったネジ頭を横からひっぱたいたように
全ては無防備だ
一日にこんな時間があってもいいんじゃないか って
濡れた壁に言ってみた