誕生日は生シラス
彼女の誕生日なので 海へ行く
まだ葉山の海は人がまばらで 風がオイル臭くない
砂浜に座ると いままで生きてきた様々な思い出が
風と波の音でカラカラ鳴る頭の中を 駆けめぐるのは 何故か
そんなことを 石につぶやいていたら 尻が少しずつ 水辺に引き寄せられてゆく
いつのまにか 鳶が数羽 輪を描き始めた 逃げることにする
少し走って おかんを誘拐しご馳走してもらうことにした
車なので酒は飲めないが もずくが旨い 目の回りに汗が出るほど 酢がきいている
そしてやはり生シラスだ
海辺に来ては頼むのだが 今日は上がってないという答えばかりだったのに
この藤沢のお店ではお通しに出現 見事 いい日なのでは
で 決め手は いわしの卯の花寿司
もうこれは オレの誕生日ですね
イカが下がるお店
いわしの卯の花寿司